出典:特定できず
順風満帆とは
「順風満帆」とは、文字通り「順(したが)う風に満帆(まんぱん)」を張って船を進めるように、すべてが順調に進むさまを表す言葉です。背後から追い風が吹いている状態なので、船はに前に進んでいきます。このことから、「物事がとても順調に運ぶ」「何事も滞りなく進む」という意味で使われます。
順風満帆の語源・典籍
初出の典籍を探しましたが、各種文献から確認することはできませんでした。
日本において考えられることは、江戸時代に盛んになった帆船が普及したなかで
「風を受け、帆を張って進む」という語として浸透した可能性があります。
また、「太平記」にそれらしい意味の記述があるものの、「順風満帆」という四文字熟語としての記述はありませんので、それを典籍とするには、疑問があります。
また、中国で類語に「一帆风顺」(一帆風順)があります。孟郊(751年〜814年)による「送崔爽之湖南」に記載されています。これは、「順風満帆」と、ほぼ同じ意味で知られていることは、気になるところです。

田中部長と「順風満帆」~営業部、スムーズすぎて大混乱!?~
営業部のメンバーは、ある大型プロジェクトが「今のところ完璧に進んでいる」と聞き、一時的に浮かれていた。しかし、順調すぎる流れが逆に彼らに“変な不安”を生み出すことに…。
【登場人物】
- 田中部長(50歳):スムーズな進行に疑いを持ち、逆に問題を探し出す愛すべきリーダー。
- 山本課長(40歳):冷静で現実的。順調すぎる進行を喜びたいが、部長の不安に巻き込まれる。
- 佐藤さん(25歳):天真爛漫で、順風満帆を完全に信じている天然ムードメーカー。
田中部長:「みんな、今回のプロジェクト、今のところ全てが順調に進んでいるらしいな。」
佐藤さん:「はい!資料も完璧、クライアントとの打ち合わせもスムーズ、何の問題もありません!」
山本課長:「こういうのを“順風満帆”って言うんですよね。たまにはいいじゃないですか。」
田中部長:「いや、私は逆に不安だ!」
佐藤さん:「えっ!?なんでですか!?順調なのに?」
田中部長:「順風満帆とは言うが、本当にそんなにスムーズにいくわけがない!船に例えるなら、“嵐が来る前の静けさ”だ!」
山本課長:「部長、それただの心配しすぎですよ。」
田中部長:「いや、順調すぎる時こそ危険が潜んでいる!みんな、今すぐ問題点を探せ!」
佐藤さん:「問題がないのに探すんですか?」
山本課長:「そうですよ。普通は問題が起きたら対処するものですよね。」
田中部長:「いや、順風満帆をそのまま信じた船は必ず座礁する!我々も事前に対策を取るべきだ!」
佐藤さん:「じゃあ、どんな問題があるか予想してみます!」
【問題を無理やり探し始める】
佐藤さん:「例えば、提案資料の中に誤字があるとか?」
田中部長:「いや、それは小さすぎる。もっと大きな問題が潜んでいるはずだ!」
山本課長:「じゃあ、クライアント側が急に方針を変えるとか?」
田中部長:「それだ!いや待て、それもまだ甘い。もっとあり得ないくらい大きな問題だ!」
佐藤さん:「ええっ、じゃあクライアントが“突然会社ごと消滅する”とか?」
山本課長:「それはさすがにSFの話ですよ。」
田中部長:「いや、何が起こるかわからんぞ!私は20年の営業経験で学んだ。“順風の時ほど気を緩めるな”だ!」
【その後も混乱が続く】
田中部長:「よし!みんな、何かしら問題が発生する前提で“非常事態マニュアル”を作るぞ!」
山本課長:「ちょっと待ってください。まだ何も起きてないんですよ?」
田中部長:「それが危険なんだ!まず、“資料が突然消えるケース”を想定した対策を作れ!」
佐藤さん:「クラウドに保存してあるから大丈夫じゃないですか?」
田中部長:「クラウドが突然停止するかもしれない!」
山本課長:「そんなのほとんど起きませんって。」
田中部長:「次だ!クライアントが突然、“このプロジェクトは中止です”と言い出したらどうする?」
佐藤さん:「そ、それは泣いちゃいますね。」
田中部長:「泣いている暇はない!すぐに代替案を提案するんだ!」
山本課長:「いや、部長、何も問題が起きてないのにこんなに緊張してたら、本当に体が持ちませんよ。」
【そして迎えた商談当日】
(商談当日、何も問題が発生することなくプレゼンはスムーズに進む)
クライアント:「素晴らしいご提案をありがとうございます。これで契約を進めさせていただきます。」
佐藤さん:「やったー!順風満帆のまま成功しました!」
田中部長:「いや、まだだ!順風満帆とは最後の最後まで油断できない!」
山本課長:「部長、契約が決まったのにまだ警戒してるんですか?」
田中部長:「例えば、契約書のサインの途中でペンがインク切れになるかもしれん!」
佐藤さん:「そのくらいは予備のペンで大丈夫ですよ!」
こうして営業部は、田中部長の“過剰な不安”にもかかわらず、無事にプロジェクトを成功に導いた。だが、彼らが次に“順風満帆”な案件に直面した時、田中部長が再び同じことをするのは時間の問題であった。