出典:韓非子
「小利を顧みるは則ち大利の残なり」とは
「小利(ショウリ)を顧(かえり)みるは則(すなわ)ち大利(ダイリ)の残(ザン)なり」は、「小さな利益に気を取られると、大きな利益を損なうことになる」という意味です。
「顧みる」は「気にかける」、「残なり」は「損なう、取り逃がす」という意味であり、全体として「小さな利益に気を取られると、大きな利益を逃してしまう」という教訓を示しています。
出典は「韓非子」「十過」篇にあり
この言葉は、『韓非子』の「十過」篇に記されています。「十過」篇では、君主が陥りやすい10の過ちが列挙されており、その中の第2の過ちとして「小利を顧みるは則ち大利の残なり」が挙げられています。具体的な逸話として、晋の献公が虢(かく)を攻める際に、虞(ぐ)の国に通行を求めるための贈り物を惜しんだ結果、虞の国をも滅ぼすことになったという話が紹介されています。
「小利を顧みるは則ち大利の残なり」の時代背景
『韓非子』は、戦国時代(紀元前5世紀〜紀元前3世紀)の中国において、韓非によって書かれた法家思想の集大成です。この時代は、諸侯が覇を競い、国家間の争いが絶えなかった時代であり、君主が国家を治めるための道徳や法の在り方が問われていました。韓非は、法と術による統治を主張し、君主が陥りやすい過ちを具体的な事例を通じて警告しました。「小利を顧みるは則ち大利の残なり」は、そのような過ちの一つとして、目先の利益に囚われることの危険性を示しています。
後に、諸葛孔明が、法を破った馬謖を処分を決定した「泣いて馬謖を斬る」では、韓非子の影響を受けていることがわかります。
現代への教訓
この教訓は、現代においても多くの場面で当てはまります。例えば、ビジネスの場面では、短期的な利益を追求するあまり、長期的な成長や信頼を損なうことがあります。また、個人の生活においても、目先の快楽や便利さを優先することで、健康や人間関係といった大切なものを失う可能性があります。このように、「小利を顧みるは則ち大利の残なり」は、目先の利益に惑わされず、長期的な視野を持つことの重要性を教えてくれます。
まとめ
「小利を顧みるは則ち大利の残なり」は、『韓非子』の「十過」篇に記された教訓であり、目先の小さな利益に囚われることで、より大きな利益を逃してしまう危険性を警告しています。この教訓は、戦国時代の中国における君主の統治に関するものでありながら、現代においても、ビジネスや個人の生活において重要な示唆を与えてくれます。短期的な利益に惑わされず、長期的な視野を持つことの大切さを忘れずに行動することが、成功への道であると言えるでしょう。

田中部長と“目先の利益は全部拾え!”作戦〜大損に向かって一直線!?〜
【第1幕:部長、韓非子にドハマり】
(朝、田中部長がデスクで渋い顔)
田中部長(真顔):「……“小利を顧みるは、則ち大利の残なり”…」
山本課長:「いや、部長、それ“小さい得にかまけてると損しますよ”って話ですよ?」
田中部長:「違う!これは裏を返せば――
“小利も見逃すな!”という意味に決まってる!!(ドヤッ)」
佐藤さん(震えながら):「えっ!? 逆解釈からの暴走スタートですか!?」
【第2幕:“全部拾え営業”開始】
💸作戦①:「1円でも値引きを避けよ!」
(商談中)
クライアント:「もうちょっとだけ…値下げ、いけませんか?」
田中部長:「1円もまけません!その1円が我が社の未来です!!」
佐藤さん:「部長、交通費で往復1,200円かかってます…」
山本課長:「え、じゃあ今、マイナス1,199円営業じゃないですか!!?」
💸作戦②:「“無料試供品”廃止!試すなら金払え!」
佐藤さん:「ではこちら、無料でお試しいただけるサンプルで…」
田中部長(跳ね起き):「いかん!!それは小利を放棄してる行為だ!!」
クライアント:「えぇ!? 試せないのに買うんですか!?」
山本課長(頭を抱え):「サンプルケチって本体も売れなくなるって、それもう本末転倒ですよ!!」
💸作戦③:「社内でも“お茶”は有料化!」
田中部長:「営業部内でも徹底する! 今日からお茶1杯10円な!!」
佐藤さん:「えぇぇ!? ポットの横に貯金箱置かれてるぅぅ!?!?」
山本課長:「経費節減が雑すぎて逆に経済破綻してますよ!!」
【第3幕:完全なる“コスパ重視地獄”突入】
📩 クライアントからの声:
- 「1円単位で値引き交渉してくるのはさすがに心が折れました」
- 「名刺が 片面だけ印刷されてました。裏、真っ白。経費削減?」
- 「封筒に“再利用”って手書きで書いてありました」
(営業部:全員、薄ら笑い)
【第4幕:ついに、大利を逃す】
(ある大型商談。条件はやや赤字寄り。だが、将来的な取引拡大のチャンス大!)
クライアント:「では、今回は少し価格を抑えてご提案いただければ、継続取引も…」
田中部長:「……申し訳ありません。1円も下げられませんッ!!(キリッ)」
📩 数時間後、メールが届く:
「今回は他社にお願いすることにしました。なお、今後の案件も…」
佐藤さん(真っ青):「…で、でも部長…1円を守りましたね…!」
山本課長(放心):「……その代わりに、年間契約ごと失いましたけどね……」
【最終幕:その夜、営業部にて】
田中部長(力なく):「……俺たちは、1円に魂を売ったのかもしれんな…」
佐藤さん(お茶をすすりながら):「そのお茶、今なら無料で出せますよ…」
山本課長:「韓非子先生が今見たら、多分筆で頭叩きにくるレベルですよ」
(部長、そっと“1円玉”を握りしめる)
こうして営業部は、韓非子の格言「小利を顧みるは則ち大利の残なり」を
180度曲解した末に、1円の守護神と化した。
だが、彼らは気づいた。
本当の大利とは、目の前の数字ではなく、“信頼”と“継続”に宿っていたのだと――。
🌟まとめ
- 小さな利益に目がくらむと、大きなチャンスを逃すのが人の常!
- 韓非子は“現実主義”だけど、目先しか見ないのはNG!
- 営業も人生も、ちょっとの“損”が後の“信用”になる!