出典:荀子
是々非々とは
「是々非々(ぜぜひひ)」は、感情や利害にとらわれず、公正に物事を判断する態度を表す格言です。
物事を感情や立場によらず、公正・中立な立場で判断しようとする態度を示します。この言葉は、古代中国の思想家である荀子(じゅんし)の思想に由来し、彼の著作『荀子』の中に見られる価値判断の原則に深く関係しています。現代社会、とりわけ政治、ビジネス、教育の現場で求められる理性的な判断力を象徴する格言でもあります。
荀子と故事の由来
「是々非々」という故事は、荀子の著作に直接的な表現として登場するわけではありませんが、その思想の根幹に当たる考え方です。荀子は「王制」や「正論」「非十二子」などの篇で、物事を理性に基づいて評価する姿勢を説きました。
特に、「君子は理に従い、情に動かず」という態度が、まさに是々非々の精神に通じます。
このように、道徳や倫理・法といった客観的な基準によって正邪を判断し、個人の感情や利益に左右されない態度が荀子の哲学の中核をなしています。
是々非々の教訓
個人の利害や感情に左右されない判断
是々非々とは、たとえ自分の身内や所属する集団が関わる事柄であっても、正しければ「是」とし、誤っていれば「非」とするという姿勢を意味します。これは非常に高度な道徳的態度であり、公正な社会を築くうえで不可欠です。
権威や慣習への盲従を排する
荀子は、儒教的な「礼」を重んじつつも、形式や権威に盲従せず、本質を見極めることを強調しました。是々非々の態度は、こうした「理による判断」という荀子の理性主義を反映しています。
荀子のエピソード
荀子の弟子・韓非の現実主義
荀子の弟子である韓非子(かんぴし)は、法による統治を強調し、恩情に流されない冷静な判断を重要視しました。これは、是々非々の思想が後世にどのように引き継がれたかを示す好例です。
孔子との比較:情と理のバランス
孔子は「仁」に重きを置き、人間関係の調和を重視しましたが、荀子は「人間の本性は悪である」とした上で、理性による抑制と教育の重要性を説きました。この点において、是々非々の立場は感情を超越した客観的な判断を強く意識しています。
現代ビジネスへの応用例
リーダーシップにおける公正な判断
企業経営においては、上司が部下を公平に評価し、身内びいきや感情に流されない判断を行うことが求められます。
具体例:
部下が信頼していた社員であっても不正が発覚した場合、情に流されることなく厳正に対応した企業は、結果として社内の規律と信頼を維持することに成功しています。
顧客との関係における誠実な対応
製品の不具合が発覚したとき、企業が過失を認め、誠実に対応するかどうかは、是々非々の姿勢によって決まります。
具体例:
大手家電メーカーが不良品の発覚に際し、迅速にリコールを行い、原因や対応策を公開したことで、ブランドへの信頼がかえって高まったという事例があります。
内部告発と組織文化の健全化
組織内で問題が発生したとき、内部から是々非々の立場で事実を指摘できる文化があれば、不正の早期発見や改善につながります。
具体例:
海外の大手銀行で、内部告発によって金利操作の不正が明るみに出た事例では、制度改革と透明性の向上が進みました。
まとめ
「是々非々」は、感情や利害にとらわれず、公正に物事を判断する態度を表す格言です。荀子の思想に根ざしたこの言葉は、現代においても政治、経営、教育などあらゆる分野で重要な指針となります。多様な価値観が混在する現代社会だからこそ、一人ひとりが「是は是」「非は非」と冷静に判断し、信頼される人間関係や組織文化を築くことが求められています。

田中部長と「是々非々」~正論ぶん投げ営業部、全方位で怒られる!?~
🏢【シーン:営業部オフィス・ある朝】
田中部長:「皆、聞けぇぇ!! 今日から我が営業部は“是々非々主義”を徹底する!!」
佐藤さん:「えー!なんかカッコイイ! ぜぜひひ? ぜんぜんひひ?🐘🐘?」
山本課長:「“是は是、非は非”……つまり“正しいものは正しく、間違ってることははっきり否定する”ってことです。」
田中部長:「その通り! つまり、これからは遠慮なし! 忖度ゼロ! どんな相手にもズバッと正論!」
佐藤さん(キラキラ):「わあ! スカッと営業ですね!!」
山本課長(顔面蒼白):「……えっ、これ、地雷しか見えないんだけど……」
💥【“是々非々営業”作戦スタート!】
🧨 作戦①:「社内会議で“非”をぶっ放す」
(月例営業会議)
本部長:「今期の方針として、まず“ハートフル戦略”を…」
田中部長(挙手):「はい! その戦略、論理破綻してます。」
(会議室が凍る)
佐藤さん(小声):「部長、今、“非”に全力すぎて空気凍ってます…」
本部長(引きつった笑顔):「……な、なるほどね! そういう見方も……あるよね……?」
山本課長(頭を抱え):「“是々非々”は…言い方のバランスが命なんだよおお!!」
🧨 作戦②:「クライアント先でも“非”を正す」
(商談中)
クライアント:「この案、ちょっと予算オーバーですが…まあ、適当に上司には“見積もり調整中”ってことで……」
佐藤さん:「えっ!? それ不正申告じゃないですか!?」
田中部長:「はい、それ、非です!! 是々非々により、正直に報告しましょう!!」
クライアント:「……あの、ジョークだったんですが……?」
(場がシーーーン)
山本課長(小声):「“是”も“非”も…言い方次第なんだよぉぉぉ!!😭」
🧨 作戦③:「社内チャットも“是々非々bot化”」
(Slackにて)
📝佐藤さん:「この資料、ちょっと見栄え重視にしちゃいました!」
🛑田中部長:「それは非です。中身が命。」
📝山本課長:「A案で進めます」
🛑田中部長:「非。B案の方が道理にかなっている」
📝佐藤さん:「お昼はカレーにしよ〜🍛」
🛑田中部長:「非。健康的とは言えない」
佐藤さん(涙目):「ご飯の選択まで“非”って言われるなんて……😢」
🔥【ついに“全方位から怒られる”日】
- 本部長:「彼…最近 なんでも“非”って言うよね…?」
- クライアント:「なんか正しいけど付き合いづらい…」
- 同僚:「田中部長、“是々非々”を言いたいだけbot説ある」
田中部長(自信満々):「ふふふ…これが真の誠実営業!!」
山本課長(大声):「でも部長、さっき“俺はイケメン”って言ってましたよね!?」
佐藤さん:「それ、是じゃなくて幻です!!」
こうして営業部は、荀子の言葉「是々非々」を全力で体現し、
正論で世界を敵に回す寸前まで行ったのであった――。
でも、本当に大事なのは、
“是を貫く勇気”と“非を伝える優しさ”の両方を持つことかもしれない。