出典:『史記』
指鹿為馬とは?
指鹿為馬(しろくいば)は、中国古典歴史書『史記』に記述された故事であり、権力を用いて誤ったことを正しいと強引に押し通すことを意味します。
「指鹿為馬」の歴史背景
この故事「指鹿為馬」は、秦の二世皇帝・胡亥(こがい)の時代に、権力を掌握していた宦官・趙高(ちょうこう)によって引き起こされた出来事に基づいています。
趙高は、皇帝に対する忠誠心を確かめるために、大臣たちの前で鹿を指して「これは馬である」と主張しました。皇帝や一部の大臣はその異常な発言に困惑しましたが、趙高の権力を恐れる者たちはそれを肯定し、鹿を「馬」と呼びました。この事件を通じて、趙高は自分に忠誠を誓う者とそうでない者を見極め、反対勢力を粛清しました。後日、「鹿」と主張した大臣を一堂に集めて処刑をしました。
この話は、権力による圧力が真実を捻じ曲げ、人々を盲目的な服従へと導くことの危険性を示すものです。この故事は、「馬鹿」(ばか)の語源として、伝わっています。
まとめ
「指鹿為馬」の故事は、権力の乱用と真実の歪曲が社会に及ぼす影響を警告するものです。現代ビジネスや政治においても、このような状況は頻繁に見られ、健全な組織運営には透明性と誠実さが不可欠です。私たちは、権力の圧力に流されることなく、正しい判断を下す勇気を持たなければなりません。

田中部長と「指鹿為馬」~営業部、ウソを突き通せば真実になる!?~
ある日、営業部に 「クライアントへの超重要プレゼン」 というミッションが下る。しかし、田中部長が 「言い切れば、ウソでも真実になる!」 という “指鹿為馬”(鹿を指して「これは馬だ」と言い張る=権力や立場を利用して事実をねじ曲げる)の理論を持ち出し、営業部は 「ウソを押し通す作戦」 で大混乱に突入する――!? 🦌➡🐴🔥💥
【登場人物】
- 田中部長(50歳):権力を利用して「間違いでも押し通せば正しい」と信じる超ポジティブリーダー。
- 山本課長(40歳):冷静なツッコミ担当。部長の「ウソでも言い続ければOK理論」に毎回巻き込まれる。
- 佐藤さん(25歳):天然で無邪気。部長の言葉を 盲信しすぎて余計な混乱を生む。
田中部長:「みんな!! 営業部最大のチャンスが来た!!!」
佐藤さん:「ええっ!? 今回は何があるんですか!?」
山本課長:「どうせまた、何かとんでもないことを言い出すんでしょう…。」
田中部長:「今回は、業界最大手の 青山商事 にプレゼンをする!! ここで成功すれば、我々の営業部は 伝説になる!!」
佐藤さん:「わあ!! どんな提案をするんですか?」
田中部長:「それはもちろん、“指鹿為馬”の戦法だ!!」
佐藤さん:「えっ!? 指鹿為馬って何ですか? 鹿が馬になるんですか?」
山本課長:「“鹿を指して馬と言い張る”って意味で、 間違っていても、権力や勢いで押し通せば正しくなるという故事ですよ。」
田中部長:「その通り!! つまり、営業の世界では「自信満々に言えば、それは事実になる」!!」
佐藤さん:「なるほど!! じゃあ、 どんなウソでも押し通せばOKなんですね!!」
山本課長(小声で):「いや、営業として それは絶対にダメでしょ!?」
【田中部長の「指鹿為馬」作戦】
【作戦①:「商品スペックを“ちょっと”盛る!」】
田中部長:「まず、プレゼンでは 商品のスペックを限界まで誇張する!!」
佐藤さん:「えっ!? そんなことして大丈夫ですか?」
山本課長:「いやいや!! クライアントにバレたら信用問題になりますよ!!」
田中部長:「大丈夫だ!! 言い切れば、事実になる!!」
(プレゼン準備中…)
佐藤さん:「部長!! この商品のバッテリーは 10時間持続 ですよね?」
田中部長:「いや、100時間だ!!」
山本課長:「いやいやいやいや!! それ 10倍 になってますよ!!」
佐藤さん:「でも、部長が言うなら 100時間でOKですね!!」
山本課長(小声で):「絶対後でヤバいことになる…。」
【作戦②:「競合他社を圧倒的に超えていると言い張る!」】
田中部長:「次に、競合他社と比較するときは、 圧倒的に我々が上だと言い張る!!」
佐藤さん:「えっ!? でも、実際にはそんなに差がないですよね?」
田中部長:「大丈夫だ!! 言い続ければ、それは真実になる!!」
山本課長(小声で):「いや、データで証明できないことを言うのはアウト ですよね?」
(プレゼン資料)
佐藤さん:「部長!! このグラフ、 完全に競合をぶっちぎってる んですが…?」
田中部長:「そうだ!! “見た目の勢い” が大事なんだ!!」
山本課長(小声で):「いや、競合はうちよりシェア5倍ありますけど…?」
【作戦③:「最悪の場合、“それも計画のうち”と言い張る!」】
佐藤さん:「部長!! もしクライアントに 「これ、間違ってません?」 って言われたらどうするんですか?」
田中部長:「そこで、“それも計画のうち”と言うんだ!!」
山本課長:「いやいやいや!! そんな言い訳、通用しないですよね!?」
田中部長:「大丈夫だ!! こう言えばいい!!」
(田中部長、プレゼン風に話し始める🎭)
田中部長:「『はい、ご指摘ありがとうございます! 実はこれは、我々のマーケティング戦略の一環でありまして…』」
佐藤さん:「おおお!! なんかそれっぽいです!!」
山本課長(小声で):「いや、それただの 誤魔化し ですよね!?」
【商談当日:衝撃の結末】
(営業部、クライアントのオフィスへ)
クライアント:「本日はよろしくお願いします。」
田中部長:「こちらこそ、よろしくお願いします!! まず、弊社の商品ですが、競合より10倍優れています!!」
クライアント:「えっ!? 本当ですか?」
(プレゼンが進む)
クライアント:「このバッテリー、100時間持続 ってありますけど、他社製品と変わらないのでは?」
佐藤さん(小声で):「部長!! ついにツッコまれました!!」
田中部長:「おお… それはですね、実は…“新しい計測基準”を採用した結果なのです!!”」
クライアント:「へぇ、そうなんですね。」
佐藤さん(小声で):「ええええ!? 信じちゃった!?」
山本課長(小声で):「いやいや、普通にラッキーすぎる…。」
【まさかの逆転!?】
クライアント:「では、今回は契約を前向きに検討します。」
佐藤さん:「えええええ!?!?!?」
田中部長:「見たか!! これが “指鹿為馬”営業だ!!」
山本課長(小声で):「いや、もうちょっと 正直な営業 をしましょうよ…。」