出典:「三国志演義」「三国志」
白眉とは
「白眉(はくび)」とは、特に優れているものや、数ある中で際立っているものを指す言葉です。
この故事の由来は、三国時代の蜀漢に仕えた政治家・文学者である馬良(ば・りょう)の容貌と才能に基づいています。馬良の家には5人の兄弟がいましたが、その中でも彼は特に優れた才能を持ち、見分けやすいように眉毛の中に白い毛が混じっていたことから「馬氏の五常(5兄弟)、白眉最も良し」(馬氏五常)とされ、「白眉」と称されました。
現代では、先見の明品さや一緒の中で最も優れたものを指します。個人や事物の中で最も優秀な存在を評価するときに用いられます。
「白眉」の背景
馬良は、蜀漢の建国者で、劉備(りゅうび)に仕えた武将であり、文学や政策にも秀でた才能を持つ人物でした。彼の家には優れた5人の兄弟がいましたが、その中でも群を抜いて優秀だったのが馬良です。馬良はその才能だけでなく、眉毛の中に一本だけ白い毛があることで知られ、それが彼を象徴する特徴となりました。このことから、「白眉」という言葉が生まれ、優秀な人物や物事を指す際に使われるようになりました。

エピソード
三国志の舞台。ここは蜀漢の都・成都。蜀漢の重臣、劉備、諸葛亮と関羽、張飛、趙雲、そして馬良などが集まっている。
劉備:「諸葛先生、馬氏の5兄弟(五常)は皆優秀だと世間で知られているが、その中でも特に秀でている者は誰だろうか?
諸葛亮:馬良がその筆頭でしょう。彼は兄弟の中でも『白眉』と呼ばれるほどに優れています。
劉備:白眉? それはどういう意味だ?
諸葛亮:馬良の眉毛には白い毛が混じっています。それが特徴であり、また彼の才能を象徴しているのです。集団の中で際立つ存在を『白眉』と例えるようになりました。
劉備:なるほど。馬良の才能は確かに見事だ。文才もさることながら、その洞察力には目を見張るものがある。
馬良:恐縮です。兄弟たちもそれぞれが持ち場で力を尽くしており、私一人の功績ではありません。
諸葛亮:謙虚な姿勢もまた君の美点だ。これからも我々を支える柱として活躍をしてほしい。
馬良は劉備玄徳に重用され、蜀の政治や軍事の場面で活躍しました。その貢献ぶりは彼の兄弟たちが誇りに思うほどで、彼の兄弟たちも「馬家五常(馬家の五兄弟は五つの徳を持つ)」と称されましたが、特に馬良はその中心的存在だったのです。
まとめ
「白眉」は、才能や業績の中で際立つ存在を指す言葉として、現代に至るまで用いられています。
特にビジネスパーソンにとっては、優れた人材や成果物を見極め、それを最大限に活用することが重要です。