出典:不明(諸説あり)
「禍福は糾える縄の如し」とは
「禍福は糾(あざな)える縄の如し」は、「幸せ(福)と不幸(禍)は、より合わせた縄のように密接に絡み合っていて、簡単には分けられない」という意味です。
「禍福は糾える縄の如し」の出典
孔子(紀元前551~前479年)の思想や教えから派生したものと説がありますが、実際に『論語』や『孔子家語』で孔子の直接の著作(とされる書物)ですが、明文が確認できるわけではありません。
多くの中国古典において「禍と福は背中合わせ」「禍福は一体」といった趣旨の言葉が説かれています。そのため、この表現は孔子の思想を背景に、後世の人々がまとめ上げた格言・故事と考えられています。孔子の時代から脈々と受け継がれてきた「陰陽」「中庸」といった世界観が、「禍福は糾える縄の如し」という言葉にも色濃く表れているわけです。
なお、出典とされる資料には、「史記」「漢書」「老子」「淮南子」などが挙げられますが、初出は諸説あるようです。
「禍福は糾える縄の如し」は確たる原典があるわけではなく、複数の古典思想をもとに成立した故事成語的な言い回しと理解するのが適切です。孔子ゆかりの言葉として広く伝えられてはいますが、厳密な意味での“出典”があるわけではない点に注意が必要です。
「禍福は糾える縄の如し」の時代背景
古代中国では、すべての事象は陰と陽、表と裏のように対立する要素が互いに支え合いながら循環していると考えられていました。
「禍(わざわい)」と「福(しあわせ)」は相反するものですが、実は同じロープの表裏のように密接に絡み合い、ある一方がきっかけで、もう一方に転じることがあるというのが、古代思想における根本観念です。
成功と失敗は表裏一体
現代への教訓
- 大きな成功が生まれる直前には、多くの苦難やミスが存在することが多いものです。逆に、今は順風満帆でも、油断すれば一気に失墜する可能性もあります。
- 「成功=福」だけに固執せず、その裏側にあるリスク(禍)を意識して、常に柔軟な姿勢を保つことも重要です。
トラブルを転じてチャンスに
- 予期せぬクレームや人手不足など「禍」と思える事態が、実はサービス改善や新たなビジネス展開につながるきっかけになる場合があります。
- 逆境に立たされても、そこに潜む「福の芽」を探す発想を持つと、問題解決のアイデアが生まれやすくなります。
中長期視点の重要性
- 一時的な不運に過剰反応せず、もっと大局的・長期的にビジネスを見渡す視点を持つことが、結果として“禍”を最小限にし、“福”を最大限に引き寄せるカギとなります。
- 孔子の「中庸」の考え方が示すように、浮き沈みのどちらにも偏りすぎず、バランスを取るマネジメントが企業経営でも望まれます。
まとめ
「禍福は糾える縄の如し」は、幸福と不幸が切り離せないほどに絡み合っているという古代中国の世界観を、孔子の教えや中庸の考え方に照らして表現したものです。
- ビジネスにおいても、成功と失敗はワンセット。喜びの中にもリスクを意識し、逆境の中にもチャンスを見出す。
- 極端な結果論に走るのではなく、「この不運がどう好転し得るか?」「今の好調を維持するために何が必要か?」と考えられる柔軟性と地道な準備が、大きな成果や持続的な成長につながります。
現代のビジネスパーソンこそ、日々のアップダウンの中で“良い面だけ” “悪い面だけ”と短絡的に判断しがちです。しかし、「禍福は糾える縄の如し」という言葉を思い出してみると、今起きている出来事がプラスかマイナスかは、視点と時間の流れ次第で変わるものだと気づけるはずです。
この言葉の奥深さを心に留めながら、チャンスの芽を逃さず、危機管理を怠らないバランス感覚を大切にしていきましょう。

田中部長と「禍福は糾える縄の如し」~営業部、ツイてるのかツイてないのか!?~
ある日、営業部に 「超大型契約」 のチャンスが舞い込む!しかし、その喜びも束の間、想定外のトラブルが次々と襲いかかり、営業部はまるでジェットコースターのような 「禍福(幸運と不運)」 に振り回されることに――!?
【登場人物】
- 田中部長(50歳):基本ポジティブで「何とかなる」と言いがちだが、往々にして何ともならない。
- 山本課長(40歳):冷静なツッコミ担当。部長の楽観主義に毎回振り回される。
- 佐藤さん(25歳):天然で無邪気。運の波に乗りすぎて、さらにトラブルを呼び込む。
田中部長:「みんな!ついに営業部に“時代が来た”ぞ!!」
佐藤さん:「えっ!?何があったんですか?」
山本課長:「また大げさなこと言ってません?」
田中部長:「いや、これは本当だ!今まで何度も商談してきた大手企業の田村商事が、我々に “正式なプレゼンの機会” を与えてくれた!!」
佐藤さん:「おおおお!これは大チャンスですね!」
山本課長:「確かにこれは大きいですね… でも部長、ちゃんと冷静に準備しましょうよ。」
田中部長:「大丈夫だ!禍福は糾える縄の如し!良いことの後には悪いことがあるが、その逆もある! つまり、チャンスの後にピンチが来ても、またチャンスが来るってことだ!!」
山本課長:「部長、それ、“不運も絶対に起こる”ってことですよ?」
田中部長:「そうだ!だからトラブルが来ても気にするな!」
佐藤さん:「あ、なんかもう不吉な予感がします…」
【禍福ジェットコースター発動!】
【幸福1】クライアントが「期待している」と言ってくれる!
クライアント(田村商事):「今回のプレゼン、御社には期待していますよ!」
佐藤さん:「すごい!これはもう勝ったようなものですね!」
田中部長:「よし、営業部の努力が実を結んだな!この流れなら契約間違いなし!」
山本課長(小声で):「フラグ立てるのやめてください…。」
【禍1】資料データが吹っ飛ぶ!
(翌日、資料をチェックしようとしたところ…)
佐藤さん:「えっ!? 部長、データが開けません!」
山本課長:「なんですって!?…これ、完全に消えてるじゃないですか!!」
田中部長:「な、なんだと!? そんなバカな!」
佐藤さん:「まさか…昨日、USBをコーヒーに落としたときの影響ですか?」
山本課長:「USBをコーヒーに!? 佐藤さん、なぜそんなことを!!」
佐藤さん:「だって、デスクの上にあったんで、つい…。」
田中部長:「落ち着け!禍福は糾える縄の如し!データが消えたなら、これは次の幸運が来る前兆だ!」
山本課長(小声で):「いや、ただのピンチですよ。」
【幸福2】奇跡的にバックアップが残っていた!
佐藤さん:「あっ!クラウドに自動バックアップがありました!」
山本課長:「おお!助かった!!」
田中部長:「見たか!やはりピンチの後にはチャンスがあるんだ!!」
佐藤さん:「よかった~!」
山本課長(小声で):「フラグ立てるのやめましょうよ…。」
【禍2】プレゼン直前にハプニング発生! 💥
(プレゼン当日、クライアントのオフィスに到着)
佐藤さん:「よし、今度こそ完璧ですね!」
田中部長:「ああ、運は我々に味方している!」
クライアント:「田中部長、ではプレゼンをお願いします。」
田中部長:「はい、よろしくお願いします!まずは、こちらの動画をご覧ください!」
(PCの画面に映るのは――)
\猫の可愛い動画/
佐藤さん:「えっ!?これ、なんで猫動画が流れてるんですか!?」
山本課長:「おい、部長!どこで間違えたんですか!?」
田中部長:「こ、これは…!!」
佐藤さん:「あっ!部長、昨日YouTubeで猫動画見てましたよね?まさか…!」
田中部長:「な、なぜパワーポイントのリンクが猫動画に!?」
山本課長(小声で):「フラグ回収が早すぎる…!」

【幸福3】クライアントが猫好きだった奇跡! 🎉
クライアント:「ははは!猫動画、癒されますね!」
佐藤さん:「えっ?」
クライアント:「実は、私も大の猫好きでして。最初に猫の動画を流すとは、面白いプレゼンですね!」
山本課長(小声で):「ま、まさかの展開…!?」
田中部長:「ほ、ほら見ろ!これは“禍福は糾える縄の如し”営業だ!」
佐藤さん:「やったー!部長の猫好きが功を奏しましたね!」
クライアント:「それでは、本題のプレゼンをお願いします!」
山本課長(小声で):「次こそは普通に進めましょうね…。」
こうして営業部は、 「幸運」と「不運」の間を綱渡りしながら、奇跡的に契約を勝ち取ることに成功した。しかし、次回もこの“禍福の波”に乗れるとは限らず、新たな試練が待ち受けていた。